東武東上線板橋区内駅全線立体化目指す – 板橋区

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2021年度に東武鉄道への要望予定

参考URL : https://www.kensetsunews.com/archives/463365

板橋区は、2021年度第1回区議会定例会で実施予定の東武東上線連続立体化調査特別委員会の調査報告をもって、東武鉄道へ板橋区内膳線立体交差化を要望するとのことです。

 対象の区間は下板橋駅上り方〜成増駅下り方までで、東上本線第58号踏切等多くの危険な踏切が存在します。

事業化しているのは大山駅付近のみ

ご存じの方も多いと思いますが、東武東上線の複々線区間以外の連続立体交差化事業は一切進捗していません。今日まで唯一事業化したのは、大山駅周辺の高架化事業のみです。
 計画上はときわ台〜上板橋間も検討されていますが、それ以外の区間は完全に放置された状態となっています。

至近にボトルネックたる踏切を擁する中板橋駅

東武東上線の人身事故数は私鉄トップ

 過去十数年間、東武東上線の人身事故数は私鉄の中でも常に上位にあります。

 特にここ10年は、ほとんど東武東上線の独壇場と言っても過言はありません。
 西武池袋線や小田急小田原線といった他の上位常連路線が軒並み連続立体交差化やホームドア整備を押し進め、人身事故や線路内立ち入りといったインシデントを大幅に減少させました。
 むしろ東武東上線では賢い踏切の導入により踏切遮断時間の短縮による安全性向上を図りましたが、これが仇となっている面もあります。踏切開通時間が細切れになることで踏切内に取り残される歩行者や自動車が発生し、踏切道安全確認のための非常停止の頻度が増加しています。そして当然ですが、踏切に立ち入っての自殺行為は依然として多数発生しています。

痛ましい事故は駅でも踏切でもない場所でも起こっている

 東武東上線の人身事故の多くは、列車の通過速度が速い坂戸〜志木間の優等列車通過駅や駅間の踏切で発生しています。駅構内での人身事故への対応はホームドア導入等で今後抑止が進むとして、問題はそれ以外の場所での人身事故です。

 踏切での人身事故はもちろん、踏切以外での痛ましい人身事故も発生しています。

参考URL : https://www.saitama-np.co.jp/news/2016/01/23/01.html

2016年(平成28年)1月22日には、本来であれば青春真っ只中であるはずの16歳の男子高校生が、最寄りの踏切から300メートル、駅から約890メートルも離れた線路上に立ち入り、轢死しました。
 現場は見通しの良い築堤と切通の直線ですが、夜間であることに加え、普通電車でも80キロ前後の高速で走る区間です。轢いてしまった電車も普通電車ではありますが、ライトの有効範囲に入って横たわる少年を発見したとしてもブレーキは間に合わないでしょう。踏切や駅の周辺でなかったことから、障害物検知装置も働かなかったものと思われます。

 この少年の命は、この区間が付近から侵入できない高架・地下区間でなおかつ周辺の新河岸・上福岡駅にホームドアが整備されていたとしたら、ほぼ間違いなく助かっていたのではないでしょうか。

坂戸〜志木の各自治体や埼玉県も早急に具体的な行動を

 先述の通り、東上線の人身事故の半数以上は、坂戸〜志木間の優等列車通過駅や踏切、踏切外の線路で発生しています。しかも心苦しくまた痛ましいことに、思春期の少年少女の人身事故が後を絶えません。

 未来ある少年少女の命を守るためにも、またこれから迫る高齢社会において考えられる高齢者による人身事故を防ぐためにも、そしてそれらによって経済活動に支障を出さないためにも、周辺の各自治体や埼玉県は東武東上線の連続立体交差化や駅の改良工事に本腰を入れるべきだと考えます。

結び : 川越市内では川越線と合わせての地下化を推進すべき

 以前の記事でも考察した通り、川越駅周辺は高度経済成長期以来歩行者・自転車のボトルネックとなっている踏切が多数存在します。その多くはJR川越線と並行しているもので、更にそのうち2つは1時間に50分以上閉まっている開かずの踏切です。

 この区間については特に急いで対応すべきであることを、末筆ながら注記いたします。