川越駅周辺の連続立体交差化を考えてみる

川越線

川越駅周辺の東武東上線及びJR川越線と道路の交差状況

川越駅周辺の道路と線路の交差状況をまとめてみました。一旦、範囲としては、市街地中心部に近い烏頭坂交差点〜川越駅〜富士見踏切・川越市駅の間とします。

 この区間には国道・県道の幹線が少なく、踏切として横断しているのは全て市道です。また、道路拡張が難しいため、この区間の5箇所(東武鉄道・JRのつながる部分は1箇所として換算しています)のうち3箇所は一方通行が設定され、自動車の通行が大きく制限されています。

 この区間には国土交通省の定めた改良の必要とされる危険な踏切が集中しています。

参考URL : https://www.ktr.mlit.go.jp/road/shihon/road_chiiki00000098.html

特徴的なのは、この5箇所のうち3箇所が歩行者ボトルネック踏切で、歩行者や自転車の交通量が非常に多く、加えて狭隘なため横断も危険な踏切であることです。歩行者交通量については脇田ガードや永井町踏切でも同様に非常に多く、これは周辺に広大な繁華街を持つ川越市らしい傾向です。

 また、線路の高さに波があるのも特徴的と言えます。
 川越市駅〜川越駅の脇田ガード付近は、1914年(大正3年)に東上線が開業して以来の築堤上構造となっています。これはその更に前の1985年(明治28年)に西武新宿線が開業しているため、オーバーパスが必要であったためです。加えて当時のこの周辺は市街地から大きく外れた田園地帯だったため、川越駅(当時の川越西町駅)はそのまま築堤上に設置せず、田園地帯の真ん中に地上駅として開設されたという経緯によります。
 一方、川越駅から南東方向は、狭山丘陵の端に位置する川越市内から数メートル低い水田地帯でした。そのため、東上線の線路は新河岸駅から烏頭坂の崖まで築堤上を登りながら進み、切通しと跨線橋(付近に東上線の開業当時にあった道路は旧川越街道のみでした)をくぐって丘陵部に突入し、川越市街地へと至っていました。
 このため、烏頭坂の切通部に近いJR川越線新宿踏切と東武東上線第152号踏切は崖の下を縫うような形の危険かつ長大な構造となっています。

連続立体交差化の懸念点

この区間の危険な踏切の除去のために連続立体交差化をするにあたって、ネックとなるのは以下の点です。

  • 川越駅の橋上駅舎とルミネ・エキアといった商業施設群
  • 川越駅南東側に伸びる高圧電線と変電所
  • JR川越線烏頭坂トンネル
  • 脇田歩道橋
  • 脇田ガード付近の歩行者専用地下道
  • 脇田ガード(西武新宿線)
  • 東武鉄道川越工場と武州ガス本社

先に掲載した現状の図と比較すると明らかな通り、線路上の構造物が非常に多く、高架化は現実的に考えられません。
 特に川越駅の橋上駅舎と商業施設群は、補償が大変な上に解体にもかなりの期間を要するのではないかと考えられます。

現実的に考えられるのは地下化

それでは、地下化をするとどうなるか?予算は考えず、もし地下化をして危険な踏切を全て除去するとしたら、どのような感じになるのか。先程の図を応用して、検討してみました。

事業対象区間はおよそ1.4kmで、JR川越線も東武東上線もほぼ同じとなる想定です。いずれも烏頭坂交差点付近から地下へ入る計画で、JR川越線は烏頭坂トンネルを抜けてすぐ、工事用引込線が合流した段階で地下へと進む想定です。
 その後JR川越線は富士見踏切〜富士見中学校付近で、東武東上線は脇田ガード付近で地上(築堤上)に出る想定です。

 単純に地下化することで踏切を廃止した部分以外で補足する部分があるとすると、まずは東武東上線川越市駅近傍の東上本線第156号踏切です。永井町踏切は富士見踏切手前の勾配区間からの地下化で廃止が可能ですが、川越市駅はもともと築堤上とほぼ同じ高さの小高い丘に設置されているため、脇田ガードごとの地下化は厳しそうです。そのため、永井町踏切跡地から道路側を掘り下げてアンダーパス化する想定としました。富士見踏切は一旦道路ごと削除していますが、地下化を入間川街道の陸橋至近から行う想定であれば、踏切を廃止するだけで道路は存続できると想定しています。
 また、東武東上線が脇田ガードから川越駅にかけて一気に地下へ潜ることになるため、重複する歩行者専用地下道は廃止する想定としました。

事業費の鍵は川越線の複線化

 川越線の地下化区間を複線対応化するか否かで、この計画にかかる費用が大きく変わります。特に複線化分については9割が事業者(JR東日本)負担になるため、もし当該区間全ての複線化を同時に要望するならば、まず間違いなくJR東日本は難色を示すでしょう。

 そのため、今回は一旦複線化を前提としない構造を想定しています。
 まず、現実的に高麗川側の複線化は当面厳しいと考えられます。また、川越駅から東側の複線化についても、烏頭坂トンネルが完全に単線仕様のため、複線化を実際に行うにはその更に大宮側から行わなければなりません。しかし烏頭坂トンネルの先は狭隘な住宅密集地からの交通量が多い岸町踏切、そして至近には新河岸川と終末処理場が連続するため、この区間まで合わせて地下化するとなると、JR東日本だけでなく埼玉県と川越市も頭を抱える額の事業費と、異常出水や将来的な管理コストの高騰も想定されます。
 複線化については、西武新宿線や東武東上線のように、用地の準備できている部分から順次行う形でも十分効果は得られると感じています。例えば、新河岸川の大宮方の砂中学校付近から南古谷駅を経て荒川橋梁までの区間と、指扇駅から西大宮駅を経て日進駅までの区間を複線化するだけでも、ダイヤ乱れ時や朝夕の川越車両センターへの入出庫が多い時間帯には大いに効果的ではないかと思われます。この辺については、また別の記事で詳しくまとめたいと思います。

 ただし、複線化する予算ほどかけなくとも、例えばJR川越駅のホームを地下化に際して2面3線から2面4線に変えたり、2面3線のままで高麗川方に10両編成対応の引き上げ線を設置するなどの改良により、一定の増発やダイヤ乱れへの対応柔軟化は望めるのではないかと考えており、そのために川越線の地下化区間を高麗川方に長く設置するよう想定しています。

結び

 時間があったので、川越駅周辺を一番簡潔に地下化しつつ全ての踏切を除去するにはどういう構造になるのか、想像してみました。
 予想以上に起伏があり、また障害物も多く、連続立体交差化の難しい区間であることを改めて理解しました。

 一方で、1時間に56分間も閉まっている踏切や狭隘な踏切、歩行者のボトルネックになっている踏切は間違いなく存在しており、これらはいち早く解消すべきだと考えています。

 今度は、川越市駅も地下化した場合を、時間がある時に想像してみたいと思います。

 ではまた。

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