西武新宿線 地下化計画の変遷まとめ

西武新宿線

市議会及び県議会の会議録を調査

本川越駅~南大塚駅間上り前面展望
本川越駅~南大塚駅間下り前面展望

 西武新宿線の本川越駅付近の地下化による連続立体交差事業の計画は、現在どのような状況になっているのでしょうか?過去の会議録を追い、まとめてみました。

具体的な話は1987年(昭和62年)から始まる

参考発言 : 平成16年第4回定例会(第20日・9月21日) 本文 2004-09-21 発言ID29

2004年(平成16年)の川越市議会会議録によれば、1987年(昭和62年)に西武新宿線本川越駅付近の地下化を本川越駅改修工事に合わせて行ってほしい旨を川越市から西武鉄道に申し入れ、西武鉄道側も「前向きに検討する」と回答したとのことでした。

 その後1997年(平成9年)12月に複線地下化の申し入れを行い、この2004年の段階に至っているとのことです。なお、この発言の直後の故舟橋功一市長の答弁によると、2004年時点での西武鉄道はかなり積極的であるとのことでした。

川越駅西口再開発の一環として計画が進む

参考発言 : 平成15年度決算特別委員会 閉会中(第1日・4月20日)本文 2005-04-20

参考発言 : 平成17年 地域振興ふれあい拠点施設建設にかかわる川越駅西口周辺整備対策特別委員会 閉会中(第1日・10月3日)本文 2005-10-03 発言ID9

参考発言 : 平成17年 地域振興ふれあい拠点施設建設にかかわる川越駅西口周辺整備対策特別委員会 閉会中(第1日・10月3日)本文 2005-10-03 発言ID36

 2002年以降、川越駅西口の再開発及び地域振興ふれあい拠点施設(現在のウェスタ川越)の整備事業が進む一環として、市街地を分断しつつ国道16号線への流入経路を支障する西武新宿線の地下化計画が着々と進んでいました。

 1995年(平成7年)の川越市の単独調査の結果をもとに、改めてこの2005年5月に行った調査と計画が持ち上がり、この特別委員会で精査されたという流れになります。

 2005年の調査結果によれば、国道16号線の陸橋の本川越側から本川越駅までの1.3キロの地下化が費用対効果的に最適であると結んでいるようです。なお、この調査結果に関する資料は現時点でインターネット上に公開していないため、詳細は未確認です。

次の連続立体交差事業は西武新宿線?

参考発言 : 平成17年度決算特別委員会 閉会中(第6日・11月14日)本文 2006-11-14

参考発言 : 平成17年 地域振興ふれあい拠点施設建設にかかわる川越駅西口周辺整備対策特別委員会 閉会中(第1日・10月3日)本文 2005-10-03 発言ID36

2006年以前の情報となってしまいますが、この頃に本格化した春日部駅連続立体交差事業の次の県主体連続立体交差事業として西武新宿線本川越駅地下化を要望しているとのことです。実際、2005年には、県からは春日部の次の事業として川越の西武線と明言を受けているようです。

いくつかの疑問点

 まず、埼玉県が連続立体交差事業を一県一事業に絞っている理由が不明です。調査・設計も含めて完全に一事業に絞っているようで、先述の会議録の中でも触れられています。単なる予算不足なのでしょうか?

 もう1つは、埼玉県が2つ連続して県東部の東武伊勢崎線の連続立体交差事業を行っているという点です。これは県西部民として不公平を通り越し憤りも感じます。川越市内だけでなく、上福岡の東武東上線や所沢駅といったネックの例もある中、改めて県東部の事業化を行った理由をぜひとも県に説明していただきたいところです。2005年頃春日部の話に傾く前に、「次は県西部で」という議論に至らなかったのでしょうか?甚だ疑問です。

結び : 国と市が主体となり県が維持費負担をすることは不可能?

 先述の会議録によると、国土交通省と埼玉県で、県が建設費を負担せず、国と川越市と西武鉄道で全額を負担するという選択肢を提示してきたそうです。直近で埼玉県に予算がつけられないのであれば、国・川越市・西武鉄道で建設を負担し、設備維持(建て替えや改修等も含む)を全て埼玉県が負担するという形は取れないものかと感じます。計画段階において川越市が無策により出遅れたのは確かですが、それ以上にあまりにも埼玉県が無策で無意欲であると感じます。

 県としてもっと平等かつ迅速に連続立体交差事業を進めていただきたいと切に願います。

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