西口は今でも「市街地の外側」
前回の記事 : https://kawatrain.com/383/
川越駅の西口は、前回の記事でも紹介したとおり、開業以来のどかな駅裏として緩やかな発展をしていました。そもそも川越市の旧市街地から見ると完全な町外れに位置し、市街地からつながる通り沿いに東口側が大きく発展してきました。
我々旧市街地に生まれ育った住民から見ると、現在でも単純に駅といえば東武東上線の川越市駅か西武新宿線の本川越駅で、川越駅は特に用事がなければ行くこともない存在です。
そのイメージを払拭することはもちろん、本川越駅や川越駅東口の無秩序な開発を抑制するために、1970年(昭和45年)から2011年(平成23年)までの40年以上を費やして大幅な土地区画整理を行いました。
駅に近い第1工区と、現在のウェスタ川越周辺の第2工区の区画整理事業が既に完成し、都市計画図上の大半の区域での事業が完成しています。
開発の目玉の一つだった川越駅西口から国道16号線と接続する旭町一丁目交差点までの区間が取り急ぎこの2つの工区の区画整理事業において完成し、現在では朝夕の通勤通学時間帯を中心に多くの市民が通過しています。
長年空地になっていた川越駅西口の遊休地は地上11階建ての複合商業施設U_PLACE(2020年6月8日開業)に、県立図書館跡地を含む遊休地は劇場と埼玉県川越地方庁舎を併設した複合商業施設ウェスタ川越にそれぞれ利用され、民間のマンションやオフィスビルも合わせて増えたことで、現在では整理された区域の開発がほとんど完了した状態となっています。
中央通り線延伸のブロッカーは西武新宿線?
上で載せた白地図を見ていただくと分かる通り、大きな道路の計画線が惹かれています。これは東武東上線・JR川越線の脇田ガードからまっすぐ伸びて西武新宿線南大塚第11号踏切付近から東へカーブし、ウェスタ川越前交差点を経て再び南へ向かって新宿町三丁目交差点付近で県道川越所沢線に合流する、中央通り線の延長計画です。
現在の中央通り線は脇田ガードから東に曲がり、東武東上線・JR川越線と平行に川越駅西口に向かい、ロータリーの南側から抜けて若干うねりながら新宿町三丁目交差点に至ります。
この区間の交通量は自動車・歩行者・自転車のいずれも非常に多く、またほぼ全区間にわたって歩道が未整備か非常に狭く、事故のリスクが高い大変危険な区間となっています。
この駅前ロータリーの混雑を回避するバイパスとして中央通り線の延伸計画がなされたわけですが、この工事もまた40年以上にわたってほとんど進捗していないというのが現状です。
土地収用に関してですが、こちらはさほど大きな支障はないものと考えられます。ウェスタ川越前交差点の北側も南側も、一戸建て住宅か低層集合住宅、場所によっては広大な駐車場として運用されており、買収に大きな費用や時間がかかる場所は皆無です。
引っかかる物があるとすれば、脇田本町で西武新宿線南大塚第11号踏切近傍にて市道とぶつかる点ではないかと考えられます。自動車と歩行者のボトルネック踏切として国からもマークされているこの踏切は、朝夕時間帯を中心に多くの車と歩行者で混雑します。この近傍に新たな幹線道路を接続することは、かなり厳しいものと思われます。
参考URL : https://www.ktr.mlit.go.jp/honkyoku/road/fumikiri/11saitama/052_minamiotsuka11.pdf
提案 : 西武新宿線の地下化
西武新宿線は、関越自動車道の川越IC付近から本川越駅に至るまで、断続的に密集した住宅街を通過し、合わせて10箇所の踏切を通過します。特に旭町三丁目付近〜本川越駅に関しては、朝夕を中心とした大渋滞はもちろん、凄惨な人身事故も多数発生してきました。
川越駅西口のロータリー付近の渋滞緩和のために必要な中央通り線延伸において南大塚第11号踏切の地下化は事実上必須です。また、区域外にはなりますが、本川越駅南側の南大塚第13号踏切についても、踏切の開閉に信号の切り替えが左右される構造となっており、特に自動車の運転手にとっては分かりにくく危険な箇所となっています。
一方、連続立体交差事業とするのであれば高架化も検討の範囲に入りますが、脇田ガードや国道16号線の陸橋が大きな支障となるため、現実的ではありません。よって、地下化を提案することとします。
結び
今回はブログの趣旨から少し外れて西武新宿線の地下化について議論をしてしまいましたが、もちろん川越駅近傍の各踏切も国土交通省からボトルネック踏切としてリストアップされています。
こちらについても追って考察をしてみたいと思います。
また、駅周辺の開発についての考察も行いたいと思います。次回は南古谷駅の周辺の開発について考察したいと思います。
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