西武新宿線本川越駅が開業125周年を迎えました
西武新宿線本川越駅は、川越市内では最初の鉄道駅として1895年(明治28年)3月21日に開業して125周年を迎えました。西武新宿線の前身の川越鉄道(川越<現在の本川越> 〜 国分寺間)は、現在の西武鉄道で最初に開業した鉄道路線です。
本川越駅は当時の川越の市街地の端に設置されましたが、すぐさま市街地の中心は本川越駅の周辺に向かって南下し、東武東上線の開業を経て国鉄川越線(現在のJR川越線)が開業する頃には川越市の中心そのものとなっていました。
その後戦後から高度経済成長期にかけて更に市街地は南下し、バブル期以降は川越駅周辺の発展が目立っていたものの、現在でも東武東上線川越市駅と並んで一大観光地である蔵造りの町並みへの玄関口として多くの乗客に利用されています。
特に、2016年(平成28年)の西口開設以降は川越市駅との連絡利用客が急増し、1日平均の乗降客数が開設後4年間で5千人(約10%)増加しています。
写真展を開催中
この開業125周年を記念して、本川越駅の2階改札付近で写真展を行っています。写真展と言ってもかなりささやかなもので、2階改札から改札内へ入ってすぐ右手にひっそりと飾られており、気をつけなければ見逃してしまうところでした。
まずは南大塚駅。写真は全部で6枚でした。
ちなみに南大塚駅の開業は1897年(明治30年)なので、開業125周年は再来年です。しかしほぼ同時期の開業であり同じ川越市内の拠点駅であることから、並べて展示したものと思われます。
現在南大塚駅の南方に広がる川越狭山工業団地は1960年(昭和35年)の土地買収開始で1964年(昭和39年)の入居開始なので、この頃はまだ土地買収を行っているかようやく分譲が始まった頃でしょうか。6枚のうちの右下にある写真が線路の形状的に南を向いていると思われますが、ご覧の通り何もありません。
現在の駅周辺には住宅街や小さな商店街が広がっていますが、当時は改札のある北口側に少々の住宅や店舗がある程度で、駅裏だった南側は雑木林が広がっています。
ちなみに右下の写真には1963年(昭和38年)に休止された西武安比奈線の架線柱が小さく写っていますが、これはつい先日まで残っていました。当時の改札口は現在の橋上駅舎よりも100メートル程度本川越方面にあったため、左上の改札口の写真の奥に見える住宅や樹木の更に奥を入間川方向へカーブしながら進んでいるはずです。
続いて本川越駅。写真は全部で12枚でした。
当時のホームの構造は頭端型と島式の複合型2面2線(+貨物ホーム1面2線)で、改札口は頭端型ホームの頭端部付近にありました。位置的には現在の本川越ぺぺの北端付近、くらづくり本舗の辺りではないかと思われます。
側線は現在のホーム南端付近からホーム北端付近にかけての西側に、日清製粉(現在の川越パークファミリア)に接する形で位置していました。北端側は島式ホーム側の中間で合流し、写真にはありませんが、現在の北側の広場から道路を突き抜けてバス発着場まで伸びて機回し線を構成していました。
本川越駅の駅本屋や駅前ロータリーは、現在の姿からは一切想像できません。
右側3枚、駅本屋入り口やバスロータリーは、現在のぺぺの北端の本川越駅前交番付近です。ロータリーは平成元年頃の再開発で現在の場所に移設され、この写真にあるロータリー部分はほぼ全てが歩道になりました。また、当時の駅本屋は入口前に階段が設置されていますが、現在の駅本屋はぺぺの開業に合わせて地上と同じ高さとなり、ホームの高さに登るのは改札機をくぐった先となっています。
駅本屋内の券売所や改札口は非常に小さく、ちょうどこの頃通学のため本川越駅を毎日利用していた私の母に訊いたところ、朝夕は改札を通るためだけに数分かかるほど混雑していたそうです。ちなみに私の小さい頃(平成元年頃)には既に現在とあまり変わらないほどの広さの仮設駅舎と改札となっていたので、そこまで強く混雑していたという印象はありません。
左真ん中の写真から時刻表を拡大してみました。
平日も休日も毎時2本のパターンダイヤが基本で、朝夕のみ3本〜4本に増えています。また、平日に関しては夕方の増発がないことに驚きました。昭和30年代の国鉄川越線の川越〜大宮間が毎時1本〜2本で夕方は2本を確保されていたことを考えると、かなり少ないなと言う印象です。
写真の奥で折返し待ちをしている電車にも乗客の姿は既に見えるので、1本あたりの乗客数はかなり多かったのではないかと思われます。
結び
川越線の開業80周年に際して色々なイベントが催されています。その一方で、西武新宿線と本川越駅でも小さなイベントを催されているということで、川越市内ではささやかながら記念の連続となっています。
川越市の市制施行100周年も間もなくに迫っており、こちらもなにかイベントを行うのではないかと楽しみなところです。
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