【同じ日の訪問記事】
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この日は、最後に岸町踏切と新河岸川橋梁に向かいました。
岸町踏切は烏頭坂トンネルの南古谷側直近の踏切です。交通量は非常に多く、自動車も自転車も歩行者もかなり多くの往来が見られます。
岸町踏切から両方向です。どちらも住宅地からは余白があるため、単純に複線化するスペースは確保できそうです。
ここから南古谷駅側は新河岸川橋梁に向けて少しずつ築堤を上って行きます。築堤の法面はきちんと補強されていますが、電化されてからもしばらくはかなり雑な草まみれの築堤でした。
築堤の途中には、ギリギリ歩行者が通れる大きさの小さなアンダーパスがあります。下は舗装されておらず、国鉄時代、おそらく電化前からあるのではないかと思われます。
川越線に並行する市道の先、新河岸川にかかる畳橋は架替工事中でした。
この付近は不老川との合流点に近いことから度々増水し、過去何度も大氾濫を起こしている地域です。そのため護岸や橋台の劣化が激しく、この畳橋も記憶にある全ての姿がボロボロなものでした。
今回の架替工事は単純な橋のリニューアルだけでなく、水流による破損を防ぐ強靭な橋台への置換作業も行われているとのことです。実際、橋桁は既に工事現場に留置されており、現在は旧橋台を完全に撤去した上で新しい橋台を作成している最中でした。
現場は完全に封鎖され迂回路が示されていましたが、仮説の歩行者橋が設置されていました。お誂え向きなロケーションと眺望であったことから、撮影もこの橋から行うことにしました。
歩行者橋に到着したところで、ちょうどよく川越行きの快速電車が来ました。
ご覧の通り、新河岸川橋梁は先述の畳橋と同じく水害に備えた橋台と橋桁の補強工事が済んでいます。橋台も橋桁も単線専用かつ非常に重厚な作りになっているため、複線化をする場合は同じ橋桁を並行して新設するか、別の橋桁に置き換える必要がありそうです。これは、複線化において主にコスト面でネックになりそうです。
なお、最後の写真に見える砂中学校前の跨線橋は複線化可能な構造となっており、ここから南古谷駅と川越車両センターを経て荒川橋梁手前まで、複線化可能なスペースが約4キロほど連続して存在します。
結び : 地味なネックは新河岸川橋梁?
烏頭坂トンネルの拡張よりも、この新河岸川橋梁の複線化が気になりました。平行新設にしろ架替にしろ、荒川橋梁や烏頭坂トンネルほどではなくとも、かなりの予算が必要では?と感じました。
とはいえ、周囲は水害が多い地域ということもあって住宅が近接しておらず、橋梁も含めてスペース的な余裕は非常に多いと思われます。
今回の訪問箇所から離れてしまいますが、特に砂中学校前から荒川橋梁までの区間は既にスペースがまとまっているため、この部分だけを先行して複線化するだけでもかなりの効果があるのではないかと思われます。
例えば、川越駅への送り込み電車を南古谷駅や川越車両センターではなく砂中学校前で待たせることで電車の出庫をスムーズにしたり、南古谷駅上り方の100メートル以上に渡る長い45キロ制限区間を川越車両センター上り方の複線化開始部での60キロ制限に緩和したりといったことが可能だと考えられます。
余談ですが、砂中学校付近に新駅を誘致するのはどうだろう?と感じました。新河岸川対岸には住宅街があり、また大規模な開発も望める田園地帯も広がります。ここから徒歩15分の場所に川越警察署もあって、需要を新たに広げられるのでは?と思いました。
ともあれ、JR東日本には改めて賢明な判断を願いたい次第です。
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