川越駅・川越市駅の発車メロディがオリジナルのものへ
現在は、川越駅・川越市駅の両駅共に、池袋駅を除く東武東上線全体で共通の発車メロディを導入しています。これが来たる3月16日のダイヤ改正に合わせて、地元川越市をモチーフにしたオリジナルのご当地発車メロディに置き換えられる事になりました。
参照元 : https://trafficnews.jp/post/83554
作曲者は川越市出身の作曲家菅野祐悟さんで、大河ドラマ「軍師官兵衛」等テレビからCMまで幅広く活躍されています。
東武東上線における川越観光のアピールが本格化
東武東上線は開業以来通勤路線としての性格が強く、バブル期の長瀞観光と郊外のゴルフ場関連のものを除けば、観光路線としての活性化施策をほとんど行っていません。
一方、高度成長期の終わり頃から本格化した川越市の観光産業の推進により徐々に川越の観光地としての価値が高まり、平成に入ってからは観光客の数が激増しました。
川越市の観光資産の中心である旧市街地の最寄り駅は本川越駅であり、川越観光については西武鉄道が最近まで独占的なイメージを保っていました。実際、2008年(平成20年)3月のスウェーデン国王カール16世グスタフご夫妻来日の折に日帰りで川越観光を行った際にも、国王ご夫妻並びに天皇皇后両陛下は西武鉄道の特急レッドアローを利用しました。
東武東上線において川越観光PR等の施策が強く目立つようになったのは、2013年(平成25年)の東京地下鉄副都心線・東急東横線・みなとみらい線との相互直通運転開始直前頃です。それまでは、沿線でみられる川越観光のPRの殆どは川越まつりでしたが、相互直通運転開始後は川越市や周辺団体の主催するウォークラリーや婚活パーティ等のイベントのPRが急増しています。
そして、2019年(平成31年)3月16日のダイヤ改正については、もはや川越市のためのダイヤ改正と言っても過言ではありません。
川越をモチーフにしたラッピングトレインの運行開始、「川越特急」という新種別の運行開始、川越特急における観光コンシェルジュの乗車と専用アナウンスの開始、池袋 – 川越市間の土休日の終電繰り下げ。
おそらく川越市側もかなりの援助をしているとは思いますが、それでもこのダイヤ改正については驚かされました。ちなみに「川越特急」という名称は、東武鉄道が前もって商標登録もしています。それでいて無料特急としての運行となるのですから、とてつもない力の入れようであることが伺えます。
JRの川越観光施策は?
JR川越線の乗り入れる川越駅も、現在では観光の拠点駅の1つとして稼働しています。川越観光に関しては、おそらくJRのほうが東武よりも先んじて力を入れ始めていたと思います。
非電化時代から川越まつりのポスターや広告を関東圏の主要駅で掲示していた他、特にりんかい線との相互直通運転開始頃からは川越まつり以外の川越観光のポスターも多くみられるようになりました。
また、JRは国鉄時代から駅を起点としたハイキングをPRしていますが、同じように川越市内の旧市街地を巡るハイキングコースのPRを以前から行っています(だいぶ前なので記憶が曖昧ですが、2000年頃に僕も大宮駅で川越ハイキングのポスターを見かけています)。
2013年からは「おさんぽ川越号」「ぶらり川越号」「川越まつり号」といった臨時電車が常磐線方面や千葉方面、神奈川方面から季節運転されるようになっており、東武に負けず力強い観光PRを行っています。
川越市の観光産業は当面成長を続ける見通し
江戸時代以来、川越市は政治的な成功例に恵まれ続けています。知恵伊豆はじめとする大河内松平家の進めた優れた民政、柳沢吉保の進めた城下区画整理と新田開発、秋元家の進めた殖産政策、明治維新後の他都市に先んじた近代化、大火対策、荒川水系の治水事業。ここまで成功に恵まれた街もなかなか見ないのでは?というほどです。
他の都市が高度経済成長期のニュータウン開発と人口増加に沸き立つさなか、どの街にも先んじて少子高齢化社会を見据えた安定産業の推進を始めたのもまたこの上ない成功であると言えます。その一環として磨き抜かれた観光産業は、今や川越の産業の基幹の1つです。
特に、東京からの日帰り圏内であることをポイントとした外国人観光客の誘致に昨今力を入れており、外国人観光客の来訪者数は毎年50%以上伸び続けています。
人口減少時代において来日観光客の取り込みは至上命題の1つであり、川越市は他の都市から数十年先んじて対応をしたため、他の都市よりも圧倒的に大きな効果を得ている状況です。この状況は、少なくともオリンピックまで続くのは確実で、その後も急激に減少することは無いのではないかと思われます。
加えて、都心への人口増加に伴い、都心からの日帰り圏内の観光地としての人気もまた上がり続けています。
これらの現状から、当面は川越市における観光産業推進の流れは止まることはなく、成長を続けるのではないかと個人的には感じています。
それでは、今日はこのへんで。
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